「勝つために」ではない道

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2018年、下半期が始まって2日目の今日、

バンクーバー五輪後引退した高橋大輔選手が、

一年限定で現役復帰すると表明した。

第一線を退いて4年のブランク。

32歳という年齢で異例の再チャレンジ。

 

引退後、スポーツのコメンテーターや舞台など、

新しい可能性に自分の居場所を求め、

進んでいたその道の歩みを止め、

「もう戻ることはない」と思っていた道を

再び歩みはじめようとする。

その決意に驚きと喜びを感じた。

 

日本フィギュアスケートといえば、言わずと知れた世界に誇る、美と戦いの厳しい世界。

競技に必要な技術、メンタル、フィジカル、に加え

表現力、人間力、すべてにおいて研ぎ澄まし、

挑む世界。

凡人の私には到底想像の及ばない、

言葉では表現しつくせない程の重圧と

戦い続ける事ができる者だけが

生き残ることができる競技。

そこへ一度解放した自分の身を再び投じる。

 

どれだけの勇気がいることだろう。

想像するだけで私なら吐きそうになるが、

高橋選手は

 

「勝つために再びやるのではない。

自分の納得の行く形で終われなかったから。」

 

とさらっと言い放った。

 

 

勝負の世界なのに “勝つために” ではなく、

自己実現” のためにその道へ

再び歩みだすというのだ。

 

自己実現とは 

“自分の生きる道を追求すること” だ。

自分が何のために生まれ、何をして生きるか。

それを見出だせている人は、今地球上にどれぐらい

いるだろう。

日々の生活に追われ、“自分”というものを省みず

目の前にあることをこなすことに精一杯、という人が

大半以上を占めているのではないだろうか。

でも、私達はつないでもらった命がある限り、

それをどう使わせて頂くのかを

考えなければいけない。

 

高橋選手はこの4年、今までとは違う道で自分を

見つめつづけ、再び、今自分らしく生きる道を

フィギュアスケートに見出だしたのだろう。

きっとそこに必要だったのは勇気ではなく、

“選択”だ。

 

何を選ぶかによって、人生は大きく変わる。

“忍耐“や”努力”が必要とされる勝負の世界で、

あえて「自分らしく生きる道」を選んだ、

彼の生き方に深い感動と共感を覚えた。

 

何を“選択”すべきか、また、その選択において、

「自分らしく生きる」ことができる人は

幸せへの一歩を踏み出すことができる。

それができればどんな困難も希望に変わる。

 

目の前のことに囚われず、時にはまわり道を選んでみよう。

 

そこに幸せへのヒントはあったりするのだ。